気になった本7
必要に迫られて知人のとある本を読んでいると、「レジーム」や「アクター」といった抽象用語がバンバン出てきて、正直ゲンナリしました。「なぜにカタカナで直輸入?」、「どうしてもこれでないとダメなの?」などなど、どうも腑に落ちない・・・
これらは、政治学や国際関係の分野でよく使われる概念とのことなので、図書館で関連する和書を探し、何冊か選んで借りてみましたが、どれも概念の説明を中途半端にしたまま、各々の流儀で使っているようです。本家でもフリーダムとは。不信は募るばかり・・・
で、ネットで検索してみると、図書館にまだ入っていないもので、最新かつ包括的なドンピシャ★ボンがあるではないですか♪
←山本吉宣著『国際レジームとガバナンス』有斐閣、2008年6月
早速、博多駅に用があったときに近くの書店に立ち寄り、現物を後ろからパラパラと眺めて(私はいかなる本も、まず奥付から見ます)、これしかないと確信しました。
ボリュームたっぷりですが、この分野にまったく疎い私であっても読み進めることができる好著です。「(国際)レジームとは何ぞや?」、「(グローバル・)ガバナンスとは何ぞや?」といった、この種の分析の基本となる定義や分類を、著者が非常にシンプルに説明してくれています。もちろんそれは独断ではなく、そのつど、根拠としている研究論文・文献名がきちっと記されています。
しかも、わかりやすい分類の図とともに、分類された要素の一つ一つについて、豊富な実例が示されています。つまり、理論一辺倒ではなく、理論と実証が一体となっているため、なるほどねぇ~そういう整理をするんだ~と、クリアに納得できます。同時に、なぜそういう分類をしているのか、についての必然性が伝わってきます。
もちろん、門外漢でもそれなりに楽しく読むことができるということは、本来の専門性をかなり犠牲にしているはずです。本の元となっている専門論文を見ても、おそらく大部分理解できないでしょう。こういう本が書ける方は、本当に貴重です。
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